村上春樹 ノルウェイの森 14

 村上春樹「ノルウェイの森」。阿美寮での療養で、いったんは回復しかけたかに思えた直子ですが、心の底に横たわる闇は想像以上に深く、1年余りの療養生活の後に、彼女は自らの命を絶ちます。

 直子の自殺はこの作品のクライマックスです。読者にとっても相当にショッキングな出来事です。ですがその出来事以上に読者を捉えるのは、残された者がとるその後の行動です。つまりワタナベくんが直子の自殺にどう向き合ったかです。キズキに次いで直子にまで。自分だけが置いていかれてしまったのだという事実。その事実を彼は受け容れる事が出来るのだろうか。そして彼は生の世界に留まる事が出来るのだろうか?

 この作品の購読途中、この作品は直子の自殺によってエンディングを迎えるのではないかと想像した読者も多いんじゃないですか。ところが終わるどころか、それ以降の物語の方が圧倒的に読者を惹きつけるんですよ!

 この作品に潜む尋常でないパワーは、直子の死以降にあります。

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