村上春樹 ノルウェイの森 7

 村上春樹「ノルウェイの森」。ワタナベくんを誘うため男子学生寮を訪ねてきた彼女は、信じられないくらい短いジーンズのスカートをはいて、ロビーの椅子に座って脚を組んでいた。ただでさえ女性が訪れることなどあまりない学生寮は彼女に大騒ぎ。ワタナベくんからスカートの短さを指摘されると、

 「でも大丈夫よ。今日はすごく可愛い下着だから。ピンクので素敵なレースの飾りがついてるの。ひらひらっと」。こう答えた彼女が緑です。

 緑はワタナベくんと同じ大学の1年後輩です。緑はいたって元気です。一言で云うとひまわり娘。村上龍で云うと「だいじょうぶマイ・フレンド」のミミミ、「ハワイアン・ラプソディ」のハズミンといったとこですかね!

 死という衣装を纏った女性・直子、その対極の存在として今を生きる女性・緑。この2人の美しい女性は本当に魅力的です。この作品を平たく捉えてしまうと、ワタナベくんを起点に2人の女性を含めた三角恋愛物語という事になります。ただしもちろんそんな単純な昼メロ話ではありません。