村上春樹 ノルウェイの森 4

 村上春樹「ノルウェイの森」は、主人公の僕がハンブルグ空港に着陸しようとする飛行機の中で、Beatlesの「ノルウェーの森」(Norwegian Wood)を耳にするところから物語が始まります。そしてこの曲が、僕に起こった18年前の出来事を事細かに脳裏に蘇らせていきます。

 現在の僕は37歳であり、18年前の僕は19歳、そして時代は1969年。この作品のプロットは、主人公が過去を回想するという形です。そしてこのプロットは驚くほど秀逸です。ですが僕はこの作品を最初に読んだときに、何故このような構造をとっているのか理解出来なかったんですよ。

 何故なら、現在の僕が登場するのは冒頭部分だけで、残りのほとんど全ての紙面を割いているのが回想部分です。回想部分だけでストーリーは完結してるし、回想部分を現在進行形で書いたって同じワケでしょ?

 18年後に過去を振り返るというプロット。わざわざこのような構造にした理由とは。それに気付いて唖然としたのは、情けないことに再読の時です。

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