村上春樹 ノルウェイの森 2

 村上春樹「ノルウェイの森」。「この作品に圧倒されてしまった私は、すべてを読み終わった後に何もする気が起きず、4日間学校を休み部屋に閉じ篭もってしまった」。こんな書評をWebで目にした事があります。

 この感覚よく分かります。経験がないにもかかわらずあえて例えに使わせてもらえば、この作品は限りなくダウナー系のDrugに近いんだと思うんですよ。「コインロッカー・ベイビーズ」をはじめとした村上龍の作品が、凄まじい興奮をもたらすアッパー系のDrugであるのとまるで好対照です!

 僕がこの作品を読み終えた後に何をしたか。他ではしたことの無いことをしました。なんと、読み終えた途端にすぐまた上巻の第1ページから読み始めたんですよ。他に何もする気が起きなかったのも事実ですが、それ以上にこの作品の持つ独特の世界から離れたくなかったんですよね。こんな読書の仕方をしたのは初めてです。まさにDrugの持つ常習性と同じですね!

 いずれにしても作品に潜むパワーが尋常でない事は確かです。