村上龍 コインロッカー・ベイビーズ 24

 村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」。ガゼルがキクに説いたダチュラとは、軍が開発した神経兵器の事です。この作品の最重要アイテムです。

 ダチュラを吸引した者は、かつて地球上に現れたいかなる凶悪な人間よりもはるかに性質の悪い、回復不能の狂人となる。瞳孔が拡がり、緑色の泡を吐き、筋肉が鋼のように硬く強くなり、身体能力が驚異的に高まる。記憶を完全に喪失し、想像を絶する恍惚に包まれる。そして目に入るものすべてを破壊し、生物を殺し続ける。殺す以外に彼を制する方法はない。

 その後各国の協定により地上から消滅したダチュラだが、現実には固型・液体・ガス状の完成品合わせて3トン分が、消滅ではなく封印に止まり、その多くが今も海中に眠っている。その場所はいっさい明かされていない。

 世の中には様々な大量破壊兵器がありますけど、ダチュラほど残酷な兵器はないでしょ。最後の1人になるまで、敵味方無く殺し合うワケですから。「共生虫」に登場したイペリットガスなんかの比じゃない!

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