村上龍 裏JMMの海岸 Q:920

Q:920
 少し前のニュースですが、政府と労使の代表らによる「成長力底上げ戦略推進円卓会議」が議論している最低賃金の中長期的な引き上げ目標について、「将来的には高卒初任給の平均水準を目標とする」という政府原案が明らかになったようです。最低賃金を巡っては、労働側とおもに中小企業などの経営側で、利害が対立しています。「適切な最低賃金」というものは、そもそもどうやって決めればいいのでしょうか。

編集長 村上龍 ジャパン・メール・メディア

 村上龍 裏JMMの海岸。難しい質問ですね。絶対的評価の最低賃金を決定するのは無理なんじゃないでかね。最低限の生活水準って人によって違いますもんね。

 でもどうやって決めたかは知りませんが、現行の最低賃金っていうものがあるわけでしょ。なのでその金額に対してどうなのかっていう相対的なものにならざるを得ないですよね。プラス幾らとかそういう世界です。

 経営側もイロイロと云ってないで、最低賃金は今より上げるべきだと思いますよ。で、最低賃金の上昇した分だけ、その人達の生産性を上げてやればイイんじゃないですかね。そうすれば経営に対してはイーブンですよね。

 でもそうすると最低賃金のちょっと上で働いてた人も、玉突きのように賃金が上昇しちゃうんですよね。なのでその人達も生産性を上げるワケです。で、更に上の方まで賃金が上がりその分みんなが生産性を向上させなんて事を会社全体でやってると、会社の売上が横ばいの場合、今度は失業する人が出ちゃうワケです。って、あれ、ダメじゃん、難しいですね!