村上龍 裏JMMの海岸 Q:919

Q:919
 原油や穀物価格の高騰で、市場に投機マネーが流れ込んでいるという指摘があり、何らかの監視・規制が必要ではないかという声も出ているようです。そもそも投機マネーというものは、国家権力が監視・規制できるものなのでしょうか。

編集長 村上龍 ジャパン・メール・メディア

 村上龍 裏JMMの海岸。先週立ち上げたばかりのこのコーナー、昨日配信のJMMで出題がありましたので、早速ですが答えてみたいと思います。

 投機マネーを国家権力が監視・規制できるか。はっきり言って無理で~す。答えは簡単です、お金には色が付いてませんから。どのお金が投機マネーで、どのお金が実需なのかわかりませんよね。なので監視出来ないんですよ。もし仮に監視が出来たとして、今度は規制が難しいでしょ。理由は同じです。色が付いてないお金をどうやって規制するんですかね?

 なので監視や規制は、やってもあまり効果が無いと思いますよ。そしてその監視や規制のために、大人数の役人と多額の税金を使うんでしょ。マーケットをコントロールしたいなんて、神じゃないんだから!

 そもそも原油や穀物価格の高騰って、本当に投機マネーのせいなんですか。ほとんどが新興国による実需でしょ。すべて投機マネーのせいだったら、逆にまったく怖くないですよ。だっていつかハジけるんだから。