村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」、桑山和代。キクとハシの育ての親、首から上にべったりと白粉を塗り鎖骨の上に白粉が溜まっている、生まれて一度も美しいと言われたことはないが、独身炭鉱労働者ばかりの離島では毎日鉱夫に誘われる。そして炭鉱の閉山ですべての幸せが終わる。
一度大いなる勘違いをしたばかりに、その後の人生が更に惨めになってしまった女です。一方で和代はキクやハシを精一杯の愛情を持って育ててるんですよ、非常に良き母であった事も事実なんですよね!
和代は家出したハシを探すために上京し、ゴミのような街東京で、ゴミくずのような死に方をします。いい人であるというだけでは生き延びられないのがこの作品。それにしてもここまで惨めにしなくてもいいのにねぇ!
「僕たちの好きな村上龍」の中で、村上作品好きなキャラベスト10を載せていた由香さんという方が、嫌いなキャラを1人だけ挙げています。和代です。由香さんのセンスはきっと健全です。でもやっぱりいたたまれないなぁ!