村上龍 コインロッカー・ベイビーズ 13

 「壊せ、殺せ、全てを破壊せよ、赤い汁を吐く硬い人形になるつもりか、破壊を続けろ、街を廃墟に戻せ」。これは、村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」の中の有名な一文です。このフレーズを読むたびに、体に電流のようなものが走ります。本当にカッコいいと思うし、大好きなフレーズです。

 えっ、それじゃあ、秋葉原通り魔事件の容疑者と同じじゃないかって。いやっ、全然違いますよ。そもそも秋葉原通り魔事件は実際に起こった事件です。「コインロッカー・ベイビーズ」は文学でありエンタテイメントです!

 この作品に感化されて無差別殺人を夢想するような人は、ウルトラマンを見た後に自分も怪獣を倒せると勘違いするのと同じレベルです。

 秋葉原通り魔事件の直後から、毎日「コインロッカー・ベイビーズ」について書いているんですけど、どうせなら、あえて、とことん書いてやろうと思ってるんですよ。キクやハシやアネモネが、事件の容疑者及び容疑者予備軍と、いったい何が、そしてどれだけ違うのかを。全てを破壊せよ!