村上龍 コインロッカー・ベイビーズ 10

 もう今日で10本目の記事となる、村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」。なのにまだアネモネすら登場していない、こんなペースで記事を書いていたら、終わる頃には秋風が吹くんじゃないのかと、ご心配いただき誠にありがとうございます。北京五輪とのバッティングは避ける所存でございます。

 類い希な聴力を身に付けたハシは、次第に歌い出します。そして歌うことで哀しみのエネルギーを制御しようとします。不思議な魅力を持ったハシの歌声は周囲を驚かせ、やがてハシをロックスターへと導いていきます。ハシが探しているのはあの時の音、ハシが歌いたいのは本当の自分たちの歌!

 キクは持ち前の身体能力により、短距離走と棒高跳びで、他県にも名が知られるアスリートになっています。そしてあの日突然、ガゼルによって牽かれたまっすぐな道。キクが探しているのはダチュラの謎、キクがやらなければならないのは、群衆に紛れ込んでいる母親を、都市ごと破壊すること!

 来週から舞台は東京。がんばれ、ニッポン。 ニッポン、チャチャチャッ!