村上龍 コインロッカー・ベイビーズ 7

 村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」。催眠療法で大人しくなったキクとハシは、来年小学校入学という年の夏、無事に養子縁組が決まり、電車やフェリーを何度も乗り継ぐような西九州の離島に、双子としてもらわれていきます。2人はここで高校生の途中まで過ごすことになります。

 ここでの生活、その後の展開からすれば、信じられないくらいのどかなんですよね。2人の本性は眠ったまま、照りつける太陽ときれいな海。読者としても比較的安らげる部分です。っていうか、あと休む場所ないです!

 島には炭鉱の閉山によって、無数の炭鉱住宅が廃墟となって放置されているエリアがあります。野良犬の巣窟となっているような場所で、大変危険なのですが、2人にとっては格好の遊び場となります。

 ここで出逢うのがガゼルです。映画化のニュースの際、キャストに浅野忠信の名前が出た途端、webで真っ先に噂されたのがガゼル役ですね。ガゼルはおそろしく出番が少ないんですけど、この作品の最重要人物です。それにしてもガゼルという名前、カッコいいですね~!