村上龍 それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたい お金も欲しい 10

 村上龍「それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたい お金も欲しい」。この本の中で、龍さんは幸せについて触れています。目から鱗です。

 「結局みんな幸せというのはこんな感じだろうと、テレビのコマーシャルのようなものとして思っているだけなんでしょう。おうちがあって、家族が一緒にいて、大きな犬がいて、みんな笑っている。そんなイメージです。でもこれは新興宗教がこれが幸せですよと言っているのと同じなんです。宗教に限らず、メディアにしろ、企業にしろ、そういう幸せを押しつけて、何かを買わせようとしているわけです。それをうのみにするのは危険です」。

 「自分はどういう状態だと幸せなのかがわからないと、いつまでたっても他人との比較の中でしか、自分が幸せかどうか判断できないのです」と。

 僕は「最後の家族」のエンディングを思い出しました。個人の幸せってホントにいろんな形があっていいと思います。メディアが垂れ流す薄っぺらな幸せ像なんてまっぴらです。そもそも我が家では犬を飼ってないし!