村上龍 それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたい お金も欲しい 9

 村上龍「それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたい お金も欲しい」。この本を読んでいると、とても複雑な気持ちになります。正直なところを言うと、実は憤りを感じる部分が結構あるんですよね!

 たとえば「最近の食糧価格の高騰が、食糧を輸入に頼っている発展途上国の食糧事情を更に悪化させ、飢餓で亡くなる子供たちが急増している」なんて記事を読んだ後に、本と洋服どっちを買えば自分磨きに有効ですかとか、最近の男性はおごってくれませんよね、ケチが多いと思いませんかとか、理想の男性と出会いたいんだけどどうやって見つけたらいいんでしょうかとか、そういう相談を読むと唖然としちゃうんですよね。

 飢餓で亡くなる子供がゼロの国では、こんなような事が他人に相談しなければならないような切実な悩みと化すのか。いったい切実って何?

 でも、しかし、それでも、やっぱり彼女達にとっては切実な事なんですよね。彼女達の切実さを理解できない僕が未熟なんでしょう、きっと!