村上龍 それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたい お金も欲しい 7

 村上龍「それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたい お金も欲しい」。「学生時代はテニスのサークルに入り刺激も多かったのに、今は毎日が同じことのくり返し。働きバチのようで空しいです」という相談者に対して。

 「学生時代というのは、仕送りやバイトでそこそこのお金があり、自由に使える時間もある。夏は海に冬はスキーに、お酒を飲んで騒いで、男とエッチしたり別れたり。僕は学校自体も嫌いでしたが、そういう雰囲気も嫌いでした。大人の社会から管理された自由という感じがしてつまらなかった」と。

 実は、僕も学生時代がつまらなかったんですよ。龍さんの言葉でつまらなかった理由がわかったような気がします。あくまで親から与えられた自由であり、自分の力で手に入れた自由じゃない、だからつまらない!

 今までその時代を後悔してたんですけど、龍さんの一言で救われました。村上龍も僕と同じだったんだぁとはいえ、その中で「限りなく透明に近いブルー」を生んだ者とボーッとしてた者の差はあまりにデカいですけど。