村上龍「カンブリア宮殿 村上龍×経済人 2」、吉野家ホールディングスの安部修仁さん。この方のことを、僕は誤解してたみたいです。
BSE問題でアメリカ産牛肉が輸入停止になったとき、他の牛丼チェーンがオーストラリア産に切り替える中、吉野家だけは牛丼の販売を中止しました。アメリカ産だろうがオーストラリア産だろうが大差はないはずで、たかが牛丼のためにどうしてそこまでこだわるのだろう。牛丼オンリーの会社が牛丼を販売しない、この行為はステークホルダーに対して説明がつくのか？
僕の大間違いでしたね。吉野家の牛丼っていうのは長年の蓄積から産み出されたパーフェクトな完成品で、つまり強力なブランドなんですよ。産地を変える事によって何かが微妙に変わることを嫌ったんですね。安部さん自身が最大のリスクをとって、これだけ高度な経営判断をされたわけです。
「3年後をイメージして今の問題に対処するとき、もっとも困難なやり方がたいてい最善策だ」。実践した人だけが言える言葉、スゴい人です。