村上龍 イビサ 4

 村上龍「イビサ」。この作品はヨーロッパを舞台としたロードムービーのような作品です。マチコはどのような旅をするのか。Drug、Sex、バイセクシャル、暴力、殺人、人身売買、そして逸楽のための人体切断。

 Sex & Drug、これはまるっきり定番ですね。バイセクシャル、暴力、殺人、これも村上作品では日常風景。問題はやっぱり人体切断ですよ。ごく普通に社会生活をしている善良な皆さんを突き放しているのが、まさにコレ!

 世の中に残虐で背徳的な行為はいくらでもありますが、映像として具体的に脳裏に捉えることのできる人体切断はもはや究極でしょ。しかも不可抗力とか止むに止まれぬ理由じゃないんですよ、逸楽のためです!

 僕は人体切断というモチーフを用いなくても「イビサ」は成立するんじゃないかと思った事もあるんですよ。でもやっぱり違うんですよ。「イビサ」=人体切断です。コレがないと逆に暗い話になるんじゃないかな。人体切断のモチーフは、突き抜けるためのパワー源の役割を担ってるんじゃない?