村上龍 タナトス 7

 村上龍「タナトス」。カザマはどうしてキューバなんていう遙か遠く離れた異国の地で暮らしてるんですかね。カザマだったら「音楽の海岸」や「イン ザ・ミソスープ」のケンジのように、日本でもスマートに生きられるはずなのに。

 カザマのセリフです。「日本では、周りが認める集団に入りさえすればそこに埋もれるだけでプライドも価値観も保証される。他国であれば生きていくために絶対不可欠な個人のエネルギーは、日本では不必要で邪魔なものとなってしまう。それは内側に向かって、ある時はその人間を攻撃する。強いエネルギーを持って生まれてきた一部の日本人は、集団からの保証ではなく個人的な自己保証を求めるから、それが果たせない場合必ず救いがたい自己嫌悪を持つことになる。おれ自身がそうだった」。

 あぁ、とっくに日本を見限ってたのね。日本からの脱出・エクソダスです。この作品、「368Y Par4 第2打」同様の強いメッセージが根底にあるんですよ。

 ケンジとの違いは、カザマの方がより繊細だったって事です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です