村上龍 タナトス 6

 村上龍「タナトス」。ずっとレイコの事ばかり書いていて、Muteって奴はつくづく女好きなんだなぁと思われるのもしゃくなので、ここらへんでこの作品の語り手であるカザマについて書いてみようと思います。

 カザマはキューバ在住の26歳、日本人フリーカメラマンです。カメラの他に日本人ツーリストのガイドや通訳をして暮らしています。

 「音楽の海岸」のケンジと「イン ザ・ミソスープ」のケンジのイメージに近いですね。あっ、以前書いたように、この2人のケンジは同一人物ですよ。それと「ラッフルズホテル」の結城も近いかなぁ。多少ドロップアウトしててクレバー、危機感を持って生きている、そんなカンジですか。まぁ、簡単に言ってしまうとカッコいいわけですよ!

 かといって「エクスタシー」のミヤシタや「メランコリア」のミチコも、どちらかと云えばカッコよかったわけですし、となるとカザマにも彼ら同様の運命が待ち受けていてもおかしくないですよね。そっと密かに期待です。