村上龍 案外、買い物好き 4

 村上龍「案外、買い物好き」。」25分でシャツ13枚、Tシャツ11枚が20万円、毎朝の空しい儀式、だけを読んで驚いていちゃいけません。「穴が空いているセーター」というエッセイでは更に驚くべき事実が。

 箱根の別荘で「半島を出よ」のラスト300枚を執筆中、食料を買い出しにスーパー行ったところ、すれ違ったおばさんたちにキャッと不安そうな顔をされたり、店員からあとをつけられたり、この年代の男性が奥さんから逃げられると悲惨なのねという顔で見られたりするといった事があったそうです。

 店内の鏡を見ると、穴が空いているセーターを着て、髭はぼうぼう、髪は寝ぐせのまま、限りなく悪い目つき、頬はこけ、消耗した顔の中で目だけがらんらんと輝いている自分が映っていたんですって!

 あれっ、意外なことに普通の作家みたいじゃないですか。僕はてっきり箱根の別荘とやらには、身の回りのお世話をするカタオカケイコ似の秘書でもいるのかと思ってましたよ。自炊してんのね。掃除と洗濯も?