村上龍 特権的情人美食 村上龍料理&官能小説集 10

 「すごい料理は秘密を強制してくる。すごい料理を食べた人はまず沈黙する。そして背徳的な秘密を持ってしまったような気分になる。理由は、すごい料理は絶対に言葉で伝えることができないからだ」。

 村上龍「特権的情人美食」のあとがきです。さすがに料理自体から背徳的な気分になった事はないですね~。まぁ不幸な事なんでしょうけど。

 料理に限らず本当に魅力的なモノって、最初から伝える事を諦めちゃうんじゃないですかね。話してもムダだと思えて教える事自体が面倒くさくなる。だからとっておきの秘密になっちゃって、それ故に背徳的になる。たとえば隠れて吸ったタバコの美味しさとか。あっ、ちょっと違う?

 あとがきの続きです。「背徳的な秘密は人生を彩る。彩りのない人生は平穏だが退屈だ。背徳的な秘密はいずれ苦悩を伴う。しかし因果なことにあなたも僕も退屈よりは苦悩を選ぶ人間らしい」。 あぁ、よくぞここまで言ってくれました。カッコいいですよ。僕も苦悩を選ばせてもらいます。

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