村上龍 ハバナ・モード MEN ARE EXPENDABLE VOL.8 9

 村上龍「ハバナ・モード」。2005年2月20日「幻の改革と変化」。「この10年くらいの間、大変化の時代だから投資感覚を磨けとか個人としてリスクを背負わなければリターンもないとかいろいろと威勢のいいことが言われてきたが、結局のところ既成大手の会社の寡占化が進んだだけではないだろうか」。

 あぁ、なんという現実。僕の憂鬱の全ての根源はココにあるんですよ。

 結局、景気が回復したと言われる現在、史上最高益を更新し続けるのは上場大企業だけ、一方で現在でも5割以上が赤字である中小零細企業。よりいっそうの既得権益を手にした大企業と公務員。パートタイマーに見られる悲惨なワーキングプアの問題。着実に進む格差社会!

 もちろん小泉構造改革を指示したのは僕たちです。格差を認めたのも僕たちです。でも、逆転のチャンスがいつでもあるハズじゃなかったの。努力した者が報われる社会じゃなかったの。やっぱりいい学校・いい会社に入る事が幸せへの道なの。子どもをどう導けばいいのだろうか?