「エクスタシー」の導入部にも唸りましたが、村上龍「メランコリア」の導入部も負けず劣らず秀逸です。それぞれ2人の外国人女性と外国人男性を従え、海洋学者だという長身の日本人女性が、カリブ海の高級リゾート・バルベイドスで飛行機への搭乗手続きをしています。女優かモデルのような威厳を放つ彼女の手にはミドリイシガメの剥製。
彼女はどうやってワシントン条約で規制されたミドリイシガメを飛行機に持ち込むのか。そしてその剥製に隠された秘密とは。のっけから非常にスピード感のあるスリリングな展開で、一挙に物語の中に引き込まれますね!
ミドリイシガメの剥製。エクスタシーの続編という事もあってか、否が応でもある事を連想してしまいますよね。そうです、衝撃的だった「エクスタシー」のエンディングです。これ間違いなくそう連想するように仕組まれてますよ。まあ、龍さんの仕掛けたトラップっていうワケです。
それにしても村上龍という作家はどこまで天才なのか!