村上龍 ストレンジ・デイズ Returns! 9

 村上龍「ストレンジ・デイズ」は、非常に暗いトーンに終始しています。まぁ、それはそれでたまにはこういうのもいいかなって思えるんですけど、その事とは別に1つだけ納得出来ない点があるんですよ!

 それは反町のジュンコに対するスタンスです。反町ってどう考えてもジュンコに恋してますよね。それなのにあくまでジュンコはマネージメントする対象であり商品なんだというスタンスを取るんですよ。これって不自然じゃないですか。最悪なのはその事で反町自身が悩む点です。

 反町は、映画資金を作るために大物政治家とのロールプレイをジュンコに薦めます。承諾したジュンコがスイートに消えたあと、反町はひどく落ち込みます。ビジネスライクに徹しているつもりでも、結局は徹しきれない。そもそもお金のためとはいえ、恋している相手にそんな事をさせますか?

 龍さん、どうしてこういう展開にしたのかな。反町がジュンコに恋している以上、反町の新たなビジネスは最初から破綻してると思うけど。