村上龍 ストレンジ・デイズ Returns! 2

 村上龍「ストレンジ・デイズ」。それにしても、他人から見た場合に成功者である反町、彼を襲った脱力感と徒労感っていうのは何なんですかね?

 彼は音楽プロモーターをやっているんですけど、自分が手掛けたアーティストの音楽を好きになれないんですよ。軽蔑してるフシさえある。自分の仕事に誇りが持てないワケです。40代前半って、生涯最高レベルの仕事をしていておかしくない年代ですよね。全く新しい事を始めるには遅すぎるし。

 これって「368Y Par4 第2打」のカギヤが感じた焦りや苛立ちと同種だと思うんですよ。いくら他人から見た場合に成功者であっても、自分の設定レベルが遙か高い所にあって、そのギャップに襲われるみたいな感じです。

 ただ、事態の方は反町の方がカギヤより深刻です。僕は何故か反町の方が同化し易かったですね。で、同化した途端に反町は21歳の美人ヒロインに出逢うんですよ。同化してるワケですから、自分の事のように喜んじゃいましたよ。僕も出逢えるかな?