村上龍 エクスタシー 8

 村上龍「エクスタシー」。タイトルのエクスタシーとは合成麻薬の一種で1985年まで心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に用いられてきたようです。現在は非合法。コカイン、ヘロイン、マリファナと共に四大麻薬の1つ。

 この作品の中で、龍さんは麻薬をアッパー系とダウナー系に分類しています。エクスタシーやコカイン、覚醒剤等をアッパー系、阿片やヘロインはダウナー系です。前者は変化の少ない時代、後者は戦争や動乱の時代に流行るそうです。LSDやモルヒネはアッパー、マリファナはダウナー?

 この作品でヤザキやカタオカケイコがSMプレイの際に使用しているのが、エクスタシーとコカイン。共にアッパー系、限りなくエッチになるとの事。

 当然、麻薬の濫用は肉体をどんどん蝕んでいきます。究極の快楽を追求しようとする精神と肉体の綱引きです。精神が勝てば肉体は滅びるワケです。肉体が滅ぼうとも快楽を求めようとする精神。究極の快楽が存在する場所はこの世の果てにしかない。それでもなお魅了し続ける快楽!