村上龍 トパーズ 9

 村上龍「トパーズ」。「彼女たちが捜しているものが、これからの人類に不可欠で、いずれそれは希望に変化するものだ」という龍さんのあとがき。

 読めば読むほどスゴい一文ですよ。だって人類に不可欠ってくらいですから。そういえば他者を探す女達のあとがきでは、魚類を例にとって他者を探し続けたモノだけが陸に上がり、探す必要のなかった巨大なシーラカンスは、現在でもシーラカンスのままだと言うような事を言ってますよね。

 進化って事ですよね。他者を探し続けなければ、人類の未来は無いんですよ。「トパーズ」の彼女たちは、共同体やシステムに呑み込まれぬように、他者を探し続け、結果的に進化の一端を担う。う~ん、確かに希望!

 そう考えると「トパーズ」のみならず「イビサ」「ラッフルズホテル」「ピアッシング」も希望の物語であり、「KYOKO」はもとより「ラブ&ポップ」も、強いては「ライン」も希望の物語って事になりますよね。奥深き「トパーズ」。あっ、一応これでもまとめたつもりです。