村上龍 トパーズ 5

 村上龍「トパーズ」の収録作は以下の12編です。「トパーズ」「公園」「受話器」「鼻の曲がった女」「紋白蝶」「ペンライト」「子守り歌」「サムデイ」「OFF」「イルカ」「卵」「バス」。

 好き嫌いは別として、特に印象に残るのは「ペンライト」です。語り手の主人公あたしには、もうひとりキヨミという女性が住みついています。二重人格におけるもうひとりの自分というよりは、取り憑いている霊に近い存在です。2人は会話をする事が出来ます。オカルトなイメージですね!

 ところでこの「ペンライト」、後半は切断系になります。あっ「イビサ」や「オーディション」に出でくる、あの足首を切り落としちゃうって奴です。オカルトから一転、ホラーです。それにしてもこういう性的嗜好、どうですか、最初はぶっ飛びますよね。でもなんとなく理解できませんか?

 「ペンライト」の後半部分に拒否反応を起こさないで、ゾクゾクしながら楽しめれば、もう「トパーズ」はあなたのもの!