村上龍 昭和歌謡大全集 3

 村上龍「昭和歌謡大全集」は、6人のオタク青年と6人のオバサンの殺し合いバトルを描いた物語です。殺し合いっていうくらいですから、次々と交互に殺られていくワケです。このように書くと、暗~いお話しを想像しがちですが、これがまた底抜けに明るいんですよね!

 ある日、オタク青年の1人が寝不足と2日酔いのまま商店街を歩いていて、前を歩くオバサンに遭遇します。異様な興奮状態にあったため、ついうっかり自分の腰を前に突き出してオバサンのお尻をツンと突いてしまいます。

 オバサンはウウウウ変態ウウウウと、サイレンのような叫び声をあげます。ココでオタク青年は我に返ります。なんと醜いオバサンなんだろう。そして、持っていたナイフでオバサンの喉を裂いてしまいます。事の発端です。

 それにしてもこんなくだらない理由で殺し合いバトルが始まってしまうんですよ。この実に脳天気な発想についてこれるかどうかで、この作品の価値が決定します。皆さん、ついてこれてますか?