村上龍 半島を出よ 15

 村上龍「半島を出よ」。他の方が書いた書評で、イシハラグループの少年達があまりにも自分とかけ離れていて、彼らをどうしても理解できないし、感情移入もできないというのがありました。ちょっとビックリです。

 イシハラグループの存在というのはこの作品の生命線ですよね。彼らを否定してしまうとこの作品の良いところ全ての魅力が半減しちゃうんですよね。エンタテイメントだけを希望するのであるなら、正義感溢れる前途有望な青年が主人公の、例えば踊る大捜査線とか海猿とかを観てればいいんじゃないですかね。何も龍さんの小説を読む必要は無いですよ!

 僕は以前も書きましたけど、卓越した個人だけが状況を変革出来ると思ってますし、卓越した個人というのは既存のシステムの外から来るんですよ。そしてその彼は必ずマイノリティなんです!

 マジョリティしか認められない人は、他に行ってくださいね。「ライン」を読んで受け入れる事が出来て初めて「半島を出よ」を読んでください!