村上龍 半島を出よ 13

 村上龍「半島を出よ」。龍さんはこの作品でいまだかつて無い全く新しいHero像を想像しました。イシハラグループです。僕はこの作品の魅力を1つだけと言われたらイシハラグループの存在を挙げたいですね!

 イシハラグループという名称は巻頭の登場人物紹介の中で便宜的に使われているだけであって、本編の中にその記述はありません。彼らは同一の目的を持ったグループではないからです。正確にはイシハラという男のもとに、たまたま居合わせただけの18名の少年達です。

 彼らは、過去に親が殺人事件を起こすなどの悲惨な過去を持ち、自らも殺人や放火・爆破などの残虐な事件を起こしています。彼らは肉親も含め社会全体から見捨てられており、その存在自体が全く消されてしまっています。彼らには社会との接点も無ければ、他人との接点も一切ありません。

 そんな少年達が他国からの侵略という有史以来の一大事件におけるHeroなのです。いったい龍さん以外、誰がそんな事を書けるでしょうか?

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