村上龍 海の向こうで戦争が始まる 8

 やり場のない怒りや哀しみが自分の中へ自分の中へと向かっていった前作「限りなく透明に近いブルー」に対して、村上龍「海の向こうで戦争が始まる」は、唐突でいくらかぶしつけな形で戦争を描きます。

 戦争というのは究極の破壊行為ですよね。「愛と幻想のファシズム」以降は破壊のターゲットが明確な作品が多いですが、本作ではまだ「全てを破壊せよ」の段階です。同じ「全てを破壊せよ」の「コインロッカー・ベイビーズ」よりも更に曖昧な感じです。

 「海の向こうで戦争が始まる」は、前作から一転して外に向かいエネルギーを放った作品であり、その後「半島を出よ」まで延々と続く破壊物語の最初の作品ということになりますね!

 あっ、ところで今日から僕のプロフィール画像が変わりました。2007年3月26日に続く2回目の進化です。Evolution Fase 2.1です。えっ、そんな事はどうでもいいですか?