村上龍 海の向こうで戦争が始まる 2

 村上龍「海の向こうで戦争が始まる」。義務教育で習う国語の授業じゃないですけど、海の向こうで戦争が始まると言った時の海の向こうとは、普通は外国とか海外とか隣国を指しますよね?

 ところがです。♪ジャーン。この作品の海の向こうとは、海岸にいる人の目から見える、まさしく視界の中の海の向こうなんですよ。つまり映像としての海の向こうです。

 海岸にいるのは絵描きの僕と、カメラマンらしきフィニーという女性。海岸は太陽が燦々と輝くマリンリゾートのビーチです。2人はパラソルの下でカクテルを飲み、たわいもない会話をしています。そして唐突なフィニーの一言、「あなたの目に町が映っているわ」。この一言により瞳に映る海の向こうの町を舞台にした物語が、これまた唐突にスタートします。

 こちら側はビーチリゾート、対岸の町は戦争。どうですかこのプロット。なんて観念的な世界観。カッコいいというほか言葉が出ないです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です