村上龍 ニューヨーク・シティ・マラソン 6

 村上龍「ニューヨーク・シティ・マラソン」収録の表題作「ニューヨーク・シティ・マラソン」。黒人の血が25%混じった売春婦ナンシーが主人公。

 ナンシーは完全なる社会的弱者です。しかも全てを呑み込む街ニューヨークにおいての底辺なのですから、日本で呑気に暮らす者の想像を、遙か超えたところで生きている女性です。

 ある日、ナンシーは賭け事を発端にして、ニューヨーク・シティ・マラソンへの出場を決意します。酒も煙草も、ミニスカートで街角に立つのも止めて、猛然と走り出すのです。ナンシーにとってのニューヨーク・シティ・マラソンとは、どうしようもない状態から抜け出すための最初の一歩なのです。ナンシーの挑戦は客観的にみてどう考えても無謀です。ナンシーは走りきる事が出来るのでしょうか。賭けの相手に勝てるのでしょうか?

 挑戦という行為がこれ程までに感動的なのだと思い知らされる傑作です。たとえどんな誰であっても、堂々と希望を持っていいんですよね!

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