村上龍 愛と幻想のファシズム 9

 村上龍「愛と幻想のファシズム」は、あの傑作SFアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」に多大な影響を与えたとして、EVAファンの間では有名のようです。そもそも鈴原トウジ(トウジ)相田ケンスケ(ゼロ)はじめ何人かの登場人物の名前が、そのままEVAの登場人物の名前として使われています。

 僕自身はEVAについてTVシリーズを数本観ただけですので偉そうな事は言えないのですが、父親についての捉え方は似ていると思います。EVAが父親を乗り越える物語であり、「愛と幻想のファシズム」は父親を倒す物語だからです。

 「愛と幻想のファシズム」の中の父親とは、当初は醜い腐った日本であり、後にはアメリカ、そしてコングロマリット「ザ・セブン」へと変わっていきます。父親とは憎悪の対象であり倒すべき強大な相手の象徴なのです。

 以前の記事で紹介したように、もしトウジが「コインロッカー・ベイビーズ」のキクの生まれ変わりであるのなら、ついにこの作品で大人になったキクの、憎悪にまみれた20数年間の集大成は、父親を倒す事にほかなりません。

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