村上龍 愛と幻想のファシズム 4

 村上龍「愛と幻想のファシズム」。物語の導入部はかなりカッコいいです。トウジとゼロが運命的な出逢いを果たす場面です。

 場所は、緯度が高いため一日中陽が沈まないカナダ北部の町イヌヴィック。そして北極海を望むエスキモーの村タクトヤクタックです。一応地図で確認したんですけどスゴいトコですよ。この場所に人間が住んでいる事自体、信じられないような所です。

 ハンターであるトウジはこの場所にハンティングに来ており、北極海に身を投げて死ぬために来ているのがゼロです。この2人の運命の出逢いには、格好の場所ですね!

 ところで文中にもあり他のエッセイにも書かれていますが、この世の果てのような荒涼としたこの場所を、時速120km超の4WDで移動する際に、その風景に合う音楽はチャイコフスキーだけだそうです。龍さんが取材旅行の際に試したら、他の全ての音楽が合わなかったらしいです、あの坂本龍一も含めて。チャイコフスキーヴァイオリンコンチェルトです。