村上龍 盾 シールド SHIELD 5

 村上龍「盾 シールド SHIELD」。2人の主人公が人生のそれぞれのステージにおいて、ある種の疎外感を感じる場面があります。「綺麗なもの、素晴らしいもの、より良いものは、自分からいつも遙か遠くにあるように感じる」。これは生きていく中で誰もが感じた事がある感覚ですよね?

 それに対してコジマの奥さんがこう言います。「その遠くにあるものが、いつか近づく時が来るはずだという思いを持ち続ける事ができるかどうか。そしてその思いを希望という」。

 この作品のラスト、盾の秘密が解けた2人は、あの仙人のような老人の山で再会します。置かれた立場が天と地ほども違ってしまった2人が、自然に小学生の頃の自分を取り戻す場面です。

 「また、やり直せばいいよね?」「うん!」。はまのゆかさんの絵の中から、そんな会話が聞こえてきそうな、希望に満ち溢れたエンディングです。

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