村上龍 イン ザ・ミソスープ 4

 村上龍「イン ザ・ミソスープ」で、ケンジとフランクが深夜のバッティングセンターに立ち寄る場面があります。そこでフランクは通常では想像し得ないおかしな動作で空振りし、バットを地面に叩き付けたあげく遠くに飛ばしてしまいます。そして今度は数センチ先を120km超のスピードボールが飛んでくる中で、いびつな格好のまま体を硬直させて動かなくなってしまいます。人間に限らず、まともな動物がこのような動作をするでしょうか?

 また、前頭葉を切除という一文からは、何か機械的な処理を施されているようなイメージがありますし、作中に何度も出てくるフランクの皮膚の感覚も、とても人間のモノとは思えないですよね?

 このようにフランクにつきまとうイメージは、ミュータントやサイボーグに近いモノです。少なくとも僕はフランクはホモ・サピエンスではないと思います。

 しかしながら「イン ザ・ミソスープ」において、フランクがホモ・サピエンスかどうかはあまり重要ではありません。ミソスープの国の外部からの訪問者であればそれだけでよいのです。

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