村上龍 69 sixty nine Ex

 僕が初めて読んだ村上龍が「69」です。どうして「69」なのかというと理由は単純。1997年から村上龍自選小説集というのが次々と刊行され、その第1巻の最初が「69」だったからです。僕は自選小説集を読み進めることで村上ワールドに突入していったのです。

 龍さんって異端なイメージがあるでしょ。なので僕は龍さんの小説に勝手ながら非常にヘヴィなモノを想像していたんです。そしたらこの軽さ。正直拍子抜けしたのを覚えています。えっ、これが村上龍なの?

 ただ「69」が面白かったこともあり、スゥ~と入れたのも事実。自選小説集第1巻の収録順序が少しずれて「限りなく透明に近いブルー」を最初に読むことになっていたとしたら、予想通りとはいえあまりのヘヴィさに、もしかすると村上ワールドに入れなかったのかも知れません。

 自選小説集の出版側に収録順序に対するどんな意図があったのかは分かりませんが、僕としては「69」でヨカッタなぁ!