村上龍 悲しき熱帯 7

 僕が村上龍「悲しき熱帯」を読んだのは夏でした。しかも休みの日の昼間、外に椅子を持ち出して。全くの偶然なんですが、龍さんは「Summer in the City」のあとがきで、僕のような読み方を薦めています。

 「悲しき熱帯」を暑い夏の日の午後・屋外で読んだのは大正解だったと思います。僕の中で何故だか妙に爽やかな作品というイメージが残っているのは、そんな環境で読んだからだと思います。

 そして「悲しき熱帯」の以前の記事で書いたように、狂おしい熱帯の魔力みたいなモノに魅了され、物語の悲しさは、かえってクールでカッコいいです。まぁ、真夏の午後に飲むスッキリさわやか清涼飲料みたいなカンジ?

 龍さんの短編集の中では、間違いなく一番シャープな作品だと思います。「悲しき熱帯」は「村上龍自選小説集3」にも収録されてます!