村上龍 共生虫 4

 村上龍の「共生虫」は1998年の連載です。ひきこもりなどという言葉が認知され始めたのがこの頃でしょうし、日本ではまだインターネットの創生期。この時期に既にひきこもりとインターネットを作品のメインモチーフにしているワケで、龍さんの先見性にまずはオドロキ。

 「共生虫」の中で特に印象に残るのはインターネットに対する描写です。メーリングリストや隠しサイトなどをリアルに表現していますが、最高なのは検索エンジン!

 龍さんは検索結果として並んでいるテキストデータを、ただ検索順位に沿って淡々と書いていきます。こんなに緻密に描写しなくてもいいのにってカンジです。それで読者はその中の幾つかの記述から物語を読み進める事が出来ます。この文体は不思議な感覚を持っていて、結果、臨場感がバツグン。斬新な手法ですね!

 「ラブ&ポップ」もそうでしたが、変幻自在の文章。Wizardと呼ばせて下さい、龍さん!

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